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「Prisma® Browser」で実現する、真の「ラストマイルセキュリティ」

皆様、こんにちは、またはこんばんは。

エンドポイントセキュリティを中心に、さまざまなセキュリティ商材を担当しております、寒川(サンガワ)と申します。本ブログへアクセスいただき、誠にありがとうございます。

前回のブログでは、企業におけるSOC機能の課題を解決するセキュリティ統合プラットフォーム「Cortex XSIAM®」をご紹介しました。今回はその対となる「エンドポイント」に焦点を当て、「脅威と情報漏洩」の現状を踏まえ、「今企業に求められる、エンドポイント・データセキュリティ」として「エンタープライズブラウザ」という新たな考え方をご紹介します。


普段の業務で当たり前のように利用しているWebブラウザですが、セキュリティの観点では意外と見落とされがちです。本ブログが「Webブラウザ起点のエンドポイント・データ保護」という考え方の参考になればと思います。


目次[非表示]

  1. 1.直近の日本国内における情報セキュリティ被害の実態
  2. 2.ラストマイルセキュリティの必要性
  3. 3.エンタープライズブラウザとは
  4. 4.Prisma® Browserのご紹介
  5. 5.まとめ
    1. 5.1.関連記事も是非ご覧ください

直近の日本国内における情報セキュリティ被害の実態

このブログを記載している2025年10月現在、国内のサイバーセキュリティニュースで最も世間を賑わせているのが、「某国内最大手の飲料メーカーのランサムウェア被害」です。

被害を受けた企業から詳細情報は発表されていませんが、国内30カ所の工場が稼働停止となり、注文処理には紙媒体やFAXを使わざるを得ない状況になっていると報道されています。

さらに、調査の結果、「個人情報が漏洩した可能性がある」とのプレスリリースが発表されました。(現時点で、漏洩した個人情報の種類は不明)

本事例のように、企業を狙った情報セキュリティ被害の中でも、ランサムウェアを含む「ランサム攻撃」が、昨年最も多く報告されています

IPA 情報セキュリティ10大脅威 2025

(引用元:https://www.ipa.go.jp/security/10threats/10threats2025.html

ランサムウェア自体は2016年以降、長年脅威として認識されている事が分かります。これは、ランサムウェア自身がより高度になっていること、「Qilin」(キーリン)を筆頭としたランサムウェアグループの台頭化などが理由に挙げられます。

その他にも、上記10大脅威として挙げられている様々な「攻撃」がありますが、それによって、どのような被害が起きているでしょうか。

ランサムウェアの場合は、社内のデータ(およびデジタル資産)を暗号化する手法が典型的ですが、今回の事例のように、結果として社内外やサプライチェーンに影響を及ぼす「情報漏洩」が、組織にとって最も深刻な被害と考えられます。

また、上記10大脅威の「4位(内部不正による)」・「10位(不注意による)」にも示されているように、「情報漏洩」に繋がる様々な脅威・攻撃は増加傾向にあります。


ラストマイルセキュリティの必要性

では、今日の「情報漏洩」はどのように防ぐことが出来るでしょうか?

IPAの「情報セキュリティ10大脅威 2025 組織編」では、以下のように経営者やシステム管理者による「組織ガバナンス」「組織運用」の統制が有効とされていました。

(引用元:https://www.ipa.go.jp/security/10threats/10threats2025.html

しかし、これだけで情報漏洩は防げるのでしょうか。

例えば、3年程前に発生した事例では某飲食店チェーンの社長が、前職の同業他社から情報を不正に持ち出すなど、組織のガバナンス・運用の統制だけでは防ぎきれていない現実もあります。

このような場合、「情報資産(データ)」を保護するシステムや仕組みが「最後の防衛線」となります。また、それらのデータは組織に所属するエンドユーザーの端末(エンドポイント)から取得されるため、いかにエンドポイントからの情報漏洩を防ぐか、が重要となります。

それでは、今日の企業における「ビジネススタイル(働き方)」はどうなっているでしょうか。

上記のデータから、以下のような課題が読み取れます。

  • Webブラウザベースの業務がほとんどである一方、ブラウザ自体は脆弱なことが多い(*1)

  • Webブラウザ経由の通信データの利用状況が見えにくい

  • 企業内で統制が取れていない端末(シャドーIT)が多く存在する

これらを踏まえ、今日の企業に必要なのは、「今のビジネススタイルに適した情報漏洩対策の考え方」すなわち「ラストマイルセキュリティ」です。

上記のように、例えば:

  • ブラウザ上で表示する情報やデータのスクリーンショット取得を制御

  • 任意の機密データ(クレジットや独自のIDなど)のコピー・ペーストを制御

  • ブラウザ利用時に多要素認証(MFA)を用いることにより、シャドーITを抑制

これらは特にブラウザベースでの働き方において非常に高い効果を発揮します。


エンタープライズブラウザとは

ここまでで、「企業はブラウザベースの働き方が主となってきている」「真の情報漏洩対策には、ラストマイルセキュリティが有効である」という2点をご紹介しました。

そこで今回のブログでは、この2点の現状に対し効果を発揮するソリューションとして「エンタープライズブラウザ」という考え方をご紹介します。

エンタープライズブラウザは、普段利用されているWebブラウザの使い勝手を維持したまま、ラストマイルセキュリティを実現できるため、企業の情報漏洩対策に有効な「ブラウザセキュリティ」を提供します。


結果として、ブラウザ利用におけるセキュリティリスクやデータ漏洩リスクを防ぐだけでなく、社内端末のブラウザを統制することで、「業務統制」「データ漏洩防止」「ファイル・データの利用履歴のトレース」などの効果にもつながります。

(エンタープライズブラウザ「Prisma® Browser」の例)

さらに、上記のスクリーンショットのように、自社のロゴを掲載したポータルサイトの作成や、ブラウザカラーやショートカットの統一など、ブラウザ自体にガバナンスを効かせることも可能です。


Prisma® Browserのご紹介

今回ご紹介する「Prisma® Browser(プリズマブラウザ)」は、Palo Alto Networks®社が提供する「エンタープライズブラウザ」の一つです。

Prisma® Browserは、エンタープライズブラウザに求められる「Webブラウザの利便性」「ラストマイルセキュリティ」「データ漏洩防止(DLP)」端末内部で実現しながら、柔軟なブラウザ統制設定・データ保護設定が可能です。

加えて、Palo Alto Networks®社が提供するAI for Security(AIによるセキュリティ)機能「Precision AI®」を用いた、高度なマルウェア分析・URLフィルタリング・脅威保護機能も利用可能です。これらの機能は総称してCDSS(Cloud-Delivered Security Services)と呼ばれています。

また、Prisma® Browserならではの特徴として「Prisma® Access連携」があります。

(「Prisma® Access」については弊社ホームページの情報をご参照ください。)

従来、SASE基盤としてPrisma® Accessは組織内のネットワークアクセスの統制に活用されてきました。一方で、端末側でのデータのやり取りや窃取防止までの統制/制御には限界がありました。

Prisma® AccessとPrisma® Browserを連携することで、Prisma® Browserの接続先アプリケーションをPrisma® Accessで制御することが可能です。その結果として、Prisma® Accessに接続している組織内のプライベートアプリケーション(データセンターやIaaSなど)との接続を、ユーザーやグループ単位で制御することができます。

一方で、Prisma® Accessと連携しない「スタンドアローン版(Standalone)」のPrisma® Browserも提供されています。こちらは、組織内のプライベートアプリケーションを利用せず、外部公開されているSaaSやアプリケーションのみを利用/統制する要件の場合に効果的です。

エンタープライズブラウザの中でPrisma® Browserを選ぶ理由としては、以下の3点が挙げられます。

  • 柔軟かつ強固なDLP機能による強力な「ラストマイルセキュリティ」の実現

  • CDSSによる、AIベースの端末自身の保護機能の提供

  • Prisma® Accessとの連携による、SASE基盤と統合した組織セキュリティの強化

なお、Prisma® BrowserはPrisma® AccessのEnterpriseエディションでは標準機能として搭載されていますので、既に同エディションをご利用中のお客様にはPrisma® Browserのご活用を強くおすすめします。

詳細なライセンスの仕様変更については、下記ブログをご参照ください。

(ブログ内では旧称:Prisma® Access Browserとして記載)


まとめ

企業が保有する「情報」の価値はますます高まっており、それに伴い、攻撃者はより高度かつ脅威的な手法で攻撃をしてきます。

そのような状況の中で、ほとんどのユーザーが日常的に利用する「Webブラウザ」において情報を保護する重要性はますます高まっておりラストマイルでの保護」として、エンタープライズブラウザが求められるシーンは今後さらに増えていくと考えられます。

そして、「Prisma® Access」との連携により、組織内のSASE基盤に対し「ネットワーク・端末・情報を一元的に統制」することも可能となります。

本ブログが、ご覧いただいた皆様の「情報漏洩対策」のヒントの一つとなれば幸いです。

関連記事も是非ご覧ください

寒川 晃至 (Koji Sangawa)
寒川 晃至 (Koji Sangawa)
<ISC2メンバ>CISSPホルダー。主にエンドポイントセキュリティを中心に商材に偏らないセキュリティ全般の技術フォロー/マーケティングを担当しております。その他、クラウドネットワーク・フォレンジック技術なども勉強中。 私の作成した記事が、少しでもセキュリティやアイデアのヒントになれば幸いです。
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