Palo Alto Networks SE Summit2023 参加レポート
2023年3月(3月13日~3月16日 PST)に開催されたPalo Alto Networks社主催のイベント、SE Summit 2023に参加させていただきました。
この記事では、SE Summit 2023の全体の概要や、イベントの様子について触れていきます。
目次[非表示]
- 0.1.SE Summit とは
- 0.2.KeyNoteの紹介
- 0.3.Palo Alto Networks 社製品群について
- 0.4.ネットワークセキュリティについて
- 0.5.パートナー向け情報
- 0.6.最後に
- 0.7.余談
SE Summit とは
SE Summit はPalo Alto Networks 社 のエンジニアに向けに、最新情報がアナウンスされるイベントです。そこに、Palo Alto Networks 社のパートナーであるNOPが今回ゲスト枠として参加しました。
このイベントでは、一般に非公開である、社員向けメッセージ及び製品ロードマップ、並びにサイバーセキュリティの将来について、いち早く学ぶことができます。
SE Summit は、毎年開催されているものの、Covid-19の影響によって、ここ数年はオンラインで開催されていました。今回は、3年ぶりに現地開催になりました。
今回の会場は、アメリカのラスベガスのCAESARS FORUM conference centerでした。
(Palo Alto Networks 社関係者の皆様にとってラスベガスはおなじみの開催地のようです)
本イベントには、Palo Alto Networks 社員が2,000名以上、またパートナーの参加が30か国以上471社から計100名以上が参加していたそうです。また合計で200時間以上のセミナーが用意されており、イベント自体に約1,000万ドル以上の投資がされている旨の説明がありました。
Palo Alto Networks 社が、SE Summit のイベント開催に大きな力を注いでいることがうかがえます。
イベントでは、大学の講義のようなイメージで、同じ時間帯に並行して色々なセッションが開催されており、各々興味のあるセッションを登録して、受講するような形式が取られていました。
SE Summit 用のアプリも用意されており、アプリでセッションルームと時間を確認して参加する形になっていました。ほかにも、アプリからイベント期間中の情報更新の確認や、スタンプラリーの参加ができました。
セッションは集合セミナー形式、ディスカッション形式、及びハンズオン形式が用意されていました。
KeyNoteの紹介
KeyNoteはイベントの全体向けの基調講演になっていて、Palo Alto Networks 社の3つのブランド群やセキュリティテーマごとに、それぞれ講演が行われていました。
最後に全体向けに行われた講演ではPalo Alto Networks 社の創始者でCTOでもある、ニア・ズーク氏によるビデオメッセージがありました。
内容は、ZeroTrust、SASE、Cortex、及びサイバーセキュリティなど多岐に渡りましたが、特に冒頭で時間を割いて強調していたのは、AIの重要性についてでした。
ニア・ズーク氏のコメントの一部は次のとおりです。
「AIは非常に重要な部分を担っています。また、AIはサイバーセキュリティの重要な部分を担い続けています。……AIは市場を大きく変え、私たちの顧客の生活をより良くより便利にします。そのうえで私たちにとって最も重要なことは、セキュリティの成果がはるかに向上することです。」
またセキュリティにAIのデータソースを活用するためには、マルチベンダーよりもシングルベンダーのクローズドな環境のほうがより効果的であると話されていました。
AI分析能力を更に向上させていくためには、いかにより多くのAIのデータソースを囲い込んで収集できるかが鍵となります。
セキュリティ企業として、この膨大なデータソースが、高度化する脅威、攻撃への対応、及びセキュリティ運用の自動化の加速を担っていると感じました。
Palo Alto Networks 社製品群について
Palo Alto Networks 社の製品のブランド群について、Strata・Prisma・Cortexのカテゴリをもとに、それぞれ提供するものの明確化が紹介されました。
「Network Security」では、ハードウェア・ソフトウェアおよびSASEを含みます。
「Cloud Security」では、Cloud上のあらゆるものを保護するためのPrisma Cloudを含みます。
「Security Operation」では、データ統合・分析、SOCの自動運用ソリューションを含みます。
あわせて、セキュリティ対策が高度化及び複雑化していく中で、またサイバーセキュリティの構築運用経験が無い顧客に対して、Unit42の脅威インテリジェンスとアドバイザリーサービスによるセキュリティコンサルティングで支援していくことを示しました。
SE Summitで、Palo Alto Networks 社の3つのブランドのうち特に注目されていたのが、Cortexでした。
ユーザーは、攻撃者の精度の高い攻撃に対応するために、複数のセキュリティ製品を導入し、より複雑化するセキュリティ対策に日々追われています。こうした中で業界的にもセキュリティオペレーションの変革が必要になり、今後大きなチャンスを秘めていることが強調されていました。
ネットワークセキュリティについて
Palo Alto Networks 社の調査によって、現在、87%の企業がクラウド戦略を採っていること、70%以上がハイブリッドクラウドアーキテクチャを採用していることがわかりました。
組織のクラウド導入がますます加速している状況が続いています。このような背景で、Palo Alto Networks 社ではVMシリーズの売り上げが伸びているといった紹介がありました。
またこれまでゲートウェイセキュリティでPAシリーズを導入していなかった顧客が、パブリッククラウドとしてVMシリーズを採用するようになったと話していました。
ハイブリットクラウドの流れの課題の一つが、それぞれのクラウドで独自のネットワーク・メカニズム、設定、及び運用があり、顧客はその複雑さに対処しなければいけないことです。
Palo Alto Networks 社は、今後このようなプラットフォーム間の不一致によって生じる複雑さに対処するために、複数のクラウドでより簡単にNGFWを活用できることを目指していると言っています。
パートナー向け情報
パートナー向けの講演では、新しいトレーニングツールやプログラム、コンテンツの拡充についての発表がありました。
「デルタ」というトレーニングでは、試験に応じたトレーニングを受講することでPalo Alto Networks 社の資格の再認証をより容易に取得することができます。
現在のPalo Alto Networks 社の提供する資格の有効期間は2年間であり、切れた場合には再度受験する必要があるので、このようなトレーニングは私たちにとって大変有難いです。
またデモシステム「DASH(Demo And Sandbox Hosting)」では、いつでもダッシュボードにアクセスしてデモ環境に触れられます。
これは、既にパートナー向けに一部公開されています。今回SE Summit参加者向けにアカウント権限が付与されていたので、さっそく、Prisma Access Cloud Management ZTNA2.0の環境を試すことができました。
さらに、パートナー向けサイトのNext Wave Partner Portalの機能を増やしていく旨のアナウンスもありました。こうしたパートナー向けプログラムやトレーニングの拡充に力を入れている点に加えて、スピーカーからも、パートナーへ更に良い教育を提供していきたいといった話があり、Palo Alto Networks 社のパートナーへの期待や、関係性強化の意図を感じました。
最後に
今回、初めて現地開催でのSE Summitに参加して、まず、イベント規模の大きさと世界中から集まった参加者の方々の人数に圧倒されました。Palo Alto Networks 社が世界最大のセキュリティトップベンダーとして、これからもセキュリティ業界の成長を牽引していく企業であるということを強く再認識しました。
また、会場は、全体の参加者の半数以上が欧米系の方で占められていましたが、アジアではインド系の方も多く目立ちました。また、女性参加者が少ない中でもインド系の方が多かった印象を持ちました。
本イベントからもIT業界におけるインド系出身者の目覚ましい活躍を実感しました。
余談
Google Cloudによるスポンサー提供で、会場に隣接するラスベガスの観覧車「High Roller」に乗りました。(通常だと入場料約35ドルです…!)
2021年までは世界で一番大きい観覧車だったそうで、車内も一度に最大30名ほど収容できるとのことでした。
ちなみに、"High Roller"は、「(賭け事で)大金を賭ける人、向こう見ずな勝負をする人」といった意味だそうで、さすがカジノの街ラスベガスのネーミングセンスだな…と感じました。
最後にHigh Rollerでラスベガスの夜景を楽しみ、今回のSE Summitのイベント参加を締めくくりました。
High Rollerは一周30分と時間が長めでしたが、ラスベガスの景色に圧倒されてあっという間の周遊でした!
最後に関連ブログとして、昨年弊社でPalo Alto Networks 社のイベントIgnite 22に出展した記事を紹介いたします。(Igniteも昨年まではオンライン開催でしたが、今後オンサイト開催が期待されるところです!)