
構築SI教育 パラメーターシート編 ~新人に計画は立てられるのか~
パートナーブログをお読みいただいている皆様、はじめまして。筆者は、ネットワンパートナーズ株式会社で、セールスエンジニアとして業務に携わっている2年目メンバーの一人です。
本記事では、昨年の1年目SE育成の一環として実施された、Cisco Catalyst 1300シリーズ(C1300)パラメーターシートを作成する課題での取り組みについて振り返ります。本取り組みは、技術資料の作成に留まらず、計画立案や作業推進など、チーム活動における多くの学びを得る機会となりました。これから同様の業務に携わる方の参考になれば幸いです。本稿は、”Beyond Challenge” 記事の第3弾です。

写真1 課題の検討風景(イノベーションセンターにおいて)
取り組みの背景
C1300は、中小規模オフィスやブランチオフィス向けのL3スイッチです。C1300の特徴の一つがGUIによる容易な設定ですが、製品リリースから時間が経っていないこともあり、設定の基本部分について資料があまり充実していませんでした。そこで、若手エンジニアの学習の一環として、加えて実案件での活用もターゲットにして、C1300のパラメーターシート(設定テンプレート)を作成し、社内外へ展開しようという取り組みが立ち上がりました。私はこの取り組みにおいて、計画の建付けや作業方式の検討、並びにレビューなど、全体の取りまとめ役を担当することになりました。
担当者としての工夫と直面した問題
まず、全体計画を作成し、分担を作業班とチェック班に分けました。都度、レビュー会議を行い、進捗管理と作成物の品質を高めていくようにすることで、うまく進められると自負していました。しかし実際には、早々に問題が浮上しました。その一つが、何のためにパラメーターシートを作成するのか、という目的の位置付けが各自ばらばらで、理解も不十分だったことでした。加えて、エンジニアにありがちなのでしょうが、設定内容をまとめることに意識が向き過ぎていて、「誰が」「どのような場面で」「何のために」使う資料なのかという視点が欠落していました。いま思えばパラメータシートを作ることが目的になっていたといっても、過言ではありません。全員が「なぜパラメーターシートを作る必要があるのか」についてしっかり理解できていれば避けられたミスはたくさんあったため、指示を出す側と指示を受ける側の認識のずれが根本的な問題としてあったと考えられます。「なぜこれをやるのか」という認識が全員で一致していないと結果的に小さなミスが頻発してしまうということを痛感しました。
更なる問題の発生
計画が想定通りに進まないのは良くあることですが、手戻りが発生した際の対応までを十分に考慮していませんでした。たとえば、プルダウンメニューの操作項目は実機での設定操作をベースにパラメーターシートに掲載しますが、ここで抜け漏れがあると検証機器の貸出期間を長期間延長してやり直す事態となりました。こういったミスを想定して、計画は作業時間を想定して期限までの線を引くだけでなく、計画が崩れた場合のリカバリにどう対応するかも事前に考えておくことの重要性を改めて認識させられました。
良かった点
一方で、初回レビュー時点で成果物に一定の品質を確保できていた点は良かったと感じています。途中のレビュー会議で、「この資料を初めて見る人が迷わないか」という点を意識し、記載順の見直しや補足説明の追加を行ったものの、大きな方向転換をすることもなく、都度レビューでの指摘内容を反映しながら、完成度を高めていく作業に集中することができました。その中でドキュメント作成は、技術的な正確さだけでなく、前述のとおり利用者の立場と利用場面に立った視点が欠かせないと実感しました。
成果物と展開
1つのパラメーターシートを完成させるまでに約2か月を要し、とても効率の良い進め方だったとはいえませんが、完成したC1300パラメーターシートをNOP TECH INFO(パートナー企業様向けポータルサイト)へ登録・公開し、社内外のセミナーで計4回紹介しました。ご参考までにパラメーターシートの設定セクションを次に示します。
1.開始ウィザード (初期セットアップ)
2.VLAN設定ウィザード
3-1.タイムゾーン
3-2.SNTPサーバー
3-3.TCP|UDPサービス
3-4.SSHユーザー認証
3-5.SNMP
3-6.システムログ
3-7.CDP
3-8.PNP
3-9.アクセスプロファイル|プロファイルルール
4.ポート設定
5.リンクアグリゲーション
6.VLAN設定
7.スパニングツリー
8.スパニングツリー Rapid PVST
9.IPv4 インターフェース ・ スタティックルーティング
このうち、3-5.SNMPのパラメーターシートは、図1のとおりです。

図1 C1300パラメーターシート(一部抜粋)
パラメーターシートを掲載したことによって、ポータルサイトの閲覧数も大きく伸び、社外でこの取り組みの成果を広く認知・活用してもらえたことは、私たちの大きな励みになりました。
おわりに
今回のチャレンジでは、うまくいかなかった点や反省点も多くありましたが、負け惜しみでなく、その分多くの学びがあったと信じています。前述のとおり、作業を始める前に目的を明確にすること、計画は想定どおりに進まないことを前提に考えること、そして複数人で取り組む際には認識合わせが重要です。こういった経験をこれからの業務にも生かし、より円滑に進められるようになりたいと考えています。本記事が、これから同様のチャレンジに取り組む方の参考になれば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。





