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若手SE向けプログラマビリティ対応人財の育成

目次[非表示]

  1. 1.はじめに
  2. 2.DevNet成果物について
  3. 3.プログラム① 退職者通知プログラムのアップデートによる運用改善
    1. 3.1.課題と改善策
  4. 4.プログラム② 脅威情報通知システムのアップデートによる運用改善
    1. 4.1.課題と改善策
  5. 5.最後に

はじめに

ネットワンパートナーズ株式会社では、DevNet活動の一環として「若手SE向けプログラム勉強会」を実施しています。

DevNetとはシスコが主導する「ネットワークの自動化・APIの開発」のことを言います。

弊社では入社前にプログラム経験のないSEがほとんどですので、初歩的なところからの習得を目指し2021年度より継続して開催しています。

本勉強会の目的は以下の2点です。

①プログラマビリティ対応人材の育成

②ネットワン独自の付加価値サービスの開発や、業務効率化を推進できる人材への成長支援

これらの目的を達成するために、約半年を掛けて以下を実施してきました。

・プログラミングに必要なPythonの環境構築やAPIの概要などを学習します。

・勉強会受講後には成果物として受講生自らがプログラムを作り上げます。

DevNet成果物について

昨年度までは、勉強会を通じて複数の独自プログラムを開発してきました。

本年度は、過去の勉強会で先輩社員が開発したプログラムを読み解き、機能追加やブラッシュアップを行って新たなプログラムを2つ作成しました。

さらに、プログラム開発のスピードを大幅に向上させるために、今回のコード作成では、ネットワングループ独自の生成AI「NELMO」や「Copilot」などの生成AIも活用しました。

AIから得られる多様なアイデアを基に、汎用性の高いプログラムを実現しました。

今回は2つのプログラムの概要、課題と改善策をご紹介したいと思います。

プログラム① 退職者通知プログラムのアップデートによる運用改善

本プログラムは退職者をWebexのチャットスペースから自動退出させるプログラムです。

Webex APIを使って指定したユーザーが参加しているスペース一覧を取得し、そのすべてのスペースから自動的に退出させる処理を行います。

スペース一覧の取得から自動退出までを管理者のワンクリックにより、すべてのスペースから退職者を退出させることができます。

課題と改善策

課題① Webex Appから退職者情報のトークンを毎回取得する必要がある

退職者の情報を毎回提供してもらうと運用面での手間が大きいです。

改善策として入力の自動化を行いました。

退職者情報(ユーザーID・氏名・退職日)をCSVにまとめて記録し、プログラム側で自動読み込みする仕組みを導入しました。

PythonのCSVライブラリを利用し、CSVファイルから退職者情報を取得する処理を実装しました。

課題② 退職の事前把握ができない

従来は、退職者は退職日にチャットスペースから退出された時点で初めて周囲が退職に気づく運用となっていました。

しかし、事前に退職情報を把握していないと、引き継ぎ機会を逃してしまうリスクがあります。

改善策として退職1週間前に通知を送る仕組みを導入しました。

事前にリマインドを送ることで、退職者と受け手の間で事前にやりとりを行い、円滑な引き継ぎを促すことを目的として機能を追加しました。

将来的にはCSVではなくDBや社内ディレクトリと直接連携する拡張性を見込めます。

また、多段階通知でカバーし、漏れがない運用を目指します。

プログラム② 脅威情報通知システムのアップデートによる運用改善

本プログラムは脅威インテリジェンスプロバイダーであるOTX AlienVaultのAPIを利用して、

過去24時間分の脅威情報をWebexのチャットで通知するというものです。

このプログラムにより、情報収集するために複数の脅威情報サイトへアクセスする必要がなくなり、情報収集の効率化を実現することができます。

その結果、迅速な状況把握と初動対応が可能になります。

OTX AlienVault とは

OTX AlienVault は、世界中のセキュリティ専門家が共有する脅威情報を集約し、

サイバー攻撃やマルウェアに関する最新のインテリジェンスをリアルタイムで提供する、オープンな脅威インテリジェンスプラットフォームです。

課題と改善策

課題① アラート内容を正確に判断しづらい

参照される英語テキストに文字数制限を設けていたため、文章が分割された状態で通知されており、通知数が多くなっていました。

この結果、情報が断片化し、全体像の把握に時間がかかっていました。

セキュリティ情報は迅速な判断が求められるため、不自然な翻訳や意味のズレは、対応の遅れや脅威情報の誤認につながる恐れがあります。

改善策として、週次取得による通知数削減を実施しました。

これまでの「毎日通知」を見直し、週単位で脅威情報を一括取得する方式に変更しました。

Webex には、毎週定刻にその週の新規アラート件数のみを通知します。アラートの詳細内容はExcelに出力することで、全文を保持しつつ、通知自体は週1件に抑えることができました。

課題② Webex通知の上限問題

Webex の仕様上、一度に送信できるデータ量には上限があります。

そのため、情報が欠落し、すべての脅威を把握できないリスクがありました。

課題③ データ管理のしづらさ

通知先が Webex チャットのみであり、履歴管理や後からの振り返りが難しい設計となっていました。

改善策として出力先の再設計による管理性向上を試みました。

従来は Webex チャットへの通知を前提としていたため、文字数制限を考慮した設計となっていました。そこで今回、詳細情報の出力先を Webex から Excel へ変更しました。取得したデータは JSON 形式のため、

Python の openpyxl ライブラリを利用し、取得した脅威情報を Excel へ自動転記する処理を実装しました。

また、副次的な効果として、Excel に出力したデータを AI で要約したり、重要度・カテゴリ別に分類したりといった将来的な拡張性も見込めます。

出力に関しては日付や概要が一覧化され、脆弱性チェックが格段に行いやすくなりました。

最後に

今回の勉強会を通じて、若手メンバーがプログラミングの基礎から実践までを身につけ、実際にプログラムを開発できる力を養うことができました。

カリキュラム終了後の受講生にヒアリングしたところ、生成AIを活用しても正常に動作しない場合があるといった声がありました。

「コード全体を任せる」のではなく、「特定の関数や処理単位で質問する」という使い方が、最も精度の高い回答を得られると学びがあったようです。

AIは非常に強力なツールですが、最終的に判断し、正しく指示するのは人間であることを改めて実感しました。

今後も、AIをはじめとする最新技術を積極的に取り入れながら、より付加価値の高い独自プログラムを生み出し、業務効率化やサービス品質の向上に貢献していきます。

プログラム①作成者:伊藤 紗妃、山﨑 勢生、小野里 祐希

プログラム②作成者:大霜 健悟、本間 光、呉 雨薇

運営:滝澤 遥、望月 俊希

望月 俊希(もちづき としき)
望月 俊希(もちづき としき)
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