Cisco次世代Wirelessに向けたマイグレーション準備はできていますか?
みなさま、こんにちは!
ネットワンパートナーズ SE 1年目の村野です。
Cisco 無線LANコントローラのCT3504/CT5520は既にEoSを迎え、
CT8540およびアクセスポイントのAironet 1800 シリーズ/2800/3800/4800のEoSがすぐそこまで来ていますが、後継機へのマイグレーションはお済みでしょうか?
対象機器をご利用いただいているお客様は、マイグレーションをご検討頂く必要があるかと思います。
今回は、マイグレーションする上で理解しておきたい知識とポイントをご紹介させて頂きます。
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Cisco Wireless製品ポートフォリオ・マイグレーション(WLC・AP)
これまでCiscoのワイヤレス商材は、Aironetシリーズとして商品名称がつけられていました。
しかし、CiscoワイヤレスのソフトウェアがAireOSからIOS-XEに変更されたこともあり、スイッチやルーターと同じくワイヤレス商材もCatalyst 9000シリーズのブランドに統一されました。
以下、WLCとAPの商品ラインナップとマイグレーションプランです。
- WLC
- AP
※最新のEoS/EoL情報はメーカーの最新情報をご覧ください。
C9800、C9100ご紹介
- Catalyst 9800シリーズ
Catalyst 9800シリーズは、Catalyst 9000シリーズの1つで、IOS-XE対応の無線LANコントローラです。
AireOS対応機器のCT3504/5520/8540、仮想版無線LANコントローラの後継機となります。
Cisco Wireless IOS-XE WLC 機能一覧
従来機との違いとしては、収容できるクライアント数が多いことやスループットが高いといった点が挙げられ、全体的に高性能になっています。
(もう一度、ポートフォリオを見て頂くと、分かりやすいかと思います!)
また、Catalyst 9800-LはPerformanceライセンスを選択することができ、最大クライアント数とAP数を倍にすることができます。そのため、ネットワークが大規模化しても上位機種に変更することなく、対応することが可能です。
- Catalyst 9100シリーズ
Catalyst 9100 シリーズは、IOS-XE対応のアクセスポイント製品群で、Aironetシリーズの後継機に当たります。
それでは、機能面について見ていきましょう。
Cisco Wireless Wi-Fi6 AP 機能一覧
Cisco Wireless Wi-fi 5 vs Wi-fi 6 AP(屋内向け)
従来機との差は、主に重量が軽いといったハードウェアの違いや最大データレートが高いことが挙げられます。
さらに、C9120/C9130はCisco独自機能を提供可能なCisco RF ASICというASICベースのソフトウェア無線モジュールが搭載されています。
主なCisco独自機能は、以下3点が挙げられます。
1. CleanAir
提供チャネルだけでなく全てのチャネルの干渉源を検知、識別、影響度調査し、影響の大きいものは対策を行う。
2. Dual Filter DFS
DFSとは、レーダー波の干渉を検知し、他のチャネルへ移行する機能のこと。
DFS機能を使用する際に、RF ASICを使い2段階で確認することで高い精度での検知を行うことができる。
3. オフチャネルRRM
RF ASICが常にオフチャネルのスキャンを肩代わりすることで、アクセスポイントのパフォーマンスを下げずにRF(無線周波数)管理ができる。
上記のようなCisco独自機能は、より安定した無線環境を整える上で非常に効果的です。
さらに細かな機能比較をご希望の場合は、
下記ドキュメントにAireOSとIOS-XE WLCの機能差分及び、Wi-Fi 5とWi-Fi 6の機能差分がまとめられておりますので、ご参照ください。
AireOS to Catalyst 9800 Wireless Controller Feature Comparison Matrix
Feature Matrix for Wave 2 and 802.11ax (Wi-Fi 6) Access Points
https://www.cisco.com/c/en/us/td/docs/wireless/access_point/feature-matrix/ap-feature-matrix.html
EWCとは?
無線LANコントローラがなくても、AP自身が無線LANコントローラとして動作することができるモードのことです。
これにより、小規模な環境で無線LANコントローラが不要といった場合でも、EWC-APがあれば無線環境を集中管理することが可能です。
従来のAironetシリーズでは、このモードをMobility Express(ME)、
Catalyst9100シリーズでは、Embedded Wireless Controller(EWC)と呼称しています。
- EWCの特徴
MEと比較しながら、EWCの特徴をご紹介します。
上記のようにMEと比べると、かなり使いやすくなっていますね!
また、EWC-APは無線LANコントローラ機能だけでなく、アクセスポイント機能も同時に使えます!(自身のアクセスポイントは、自身のコントローラで管理されます。)
EWCとして管理できるAPの数は最大100台、トータル端末数は最大2000台となっています。
(機種によって異なります。Cisco Wireless Wi-Fi6 AP 機能一覧 をご覧ください。)
MEとEWCの細かい機能差異については、↓をご覧ください
特にEWCで非サポートになった機能の一例を以下に記載します。
[ME→EWCで非サポートになった機能(一例)]
・EWCではSNMP非サポート(Syslogで代替)
・EWCではメッシュ非サポート(屋外APのC9124で将来的にサポート予定)
・EWCはPrime Infrastructureで管理不可(DNA Centerでは管理可能)
※DNA CenterでEWCを管理する場合はAP毎にDNAライセンスが必要です。
マイグレーションのポイント
マイグレーションをする際に押さえておいて頂きたいポイントは、ライセンスについてです。
これまでのAireOS対応(Wi-Fi 5)製品では、WLCを購入した際に AP1台に1ライセンス を買い切りで購入いただいていたかと思います。
IOS-XE対応(Wi-Fi 6)製品では、AIR-DNAライセンスを AP1台に1ライセンス ご購入頂きます。
AIR-DNAライセンスの中には、サブスクリプションのDNAライセンスと買い切りのAPライセンス(Networkライセンス)が含まれています。
DNAライセンスについては、Cisco DNA Centerとの連携するために必要なライセンスで、連携が不要な場合は更新不要です。
買い切りのAPライセンス(従来の無線LAN関連機能)は、これまで同様に更新不要です。
(例)最初に3年分のDNAライセンスを購入し、3年が経過した場合
・Cisco DNA Centerの機能を利用したい方 → DNAライセンスを更新
・Cisco DNA Centerの機能を利用しない方(基本的なAP機能のみの利用 ) → DNAライセンスの更新不要
※AP購入時は、最低でも3年以上のDNAライセンスの購入が必須です。
(Cisco DNA Centerって何?という方は、こちらの記事をご覧ください↓)
https://www.netone-pa.co.jp/solution/etwork/ciscodna-outline/
ライセンス購入時に必要な選択事項は
・種類(Essentials・Advantage・Premierの3種類)
・期間(3年・5年・7年いずれか)
となっています。
ワイヤレスDNAライセンスの種類とパッケージ
ワイヤレスDNAライセンスに含まれる主要機能
ライセンスによって使える機能範囲が異なりますので、必要な条件に合わせてライセンスをご購入ください。
※EWC構成を組む場合は、ライセンス不要です!(安価に小規模無線環境を展開!)
また、EWC-AP配下のAPもDNAライセンス不要となっており、機能範囲はNetwork Essentialsライセンスと同様です。(ライセンスを購入し、DNA Center機能を利用することも可)
旧製品のEoS/EoL情報
- Wireless controller
- Access Point
※屋外用APのAironet 1560 シリーズのEoSアナウンスは出ておりません。(2021年1月22日現在)