11ac(Wi-Fi5) vs 11ax(Wi-Fi6)パフォーマンス対決 【検証結果を大公開!】
目次[非表示]
- 1.■11axのトピックス
- 2.■11ax(Wi-Fi6) vs 11ac(Wi-Fi5)比較検証
- 2.1.■検証利用機器
- 3.■検証について
- 3.1.■5GHz帯での比較検証
- 3.2.■2.4GHz帯での比較検証
- 4.■さいごに
- 4.1.【特記事項】
はいさい! (こんにちは)
ぐーすよー、ちゃーがんじゅーしてますかー? (みなさん、元気にしていますか?)
お久しぶりです。
NOPセールスエンジニアの北本です。
本年もよろしくお願い致します。
さて、本日のBlogで紹介する内容は、(きっと)皆様が気になっている、
「11ax(Wi-Fi6)製品って11ac(Wi-Fi5)製品と比べて本当に性能が上がっているの?」
という疑問を解決できる内容を準備いたしました。
是非ともご覧頂ければと思います。
■11axのトピックス
まずは、11ax(Wi-Fi6)のトピックスをご紹介いたします。
※上記画像はRuckus Japanより提供
11ax(Wi-Fi6)は11ac(Wi-Fi5)と比べ、主に上記の機能などを利用して、
無線通信の効率化を実現してスループットやキャパシティ向上を実現しております。
一部の機能をご説明しますね!!
=====
●OFDMA
1つのチャネルを複数のサブキャリアに分割し、複数のユーザーに割り当てることで、
複数のユーザーが同じチャネルで同時通信が可能となり、チャネル利用効率を上げる機能。
●MU-MIMO
電波干渉が起きないように、位相をずらして複数の端末に向けて電波を同時に送信する機能。
11ax(Wi-Fi6)からは、ダウンリンクに加え、アップリンクもサポートされております。
●BSS-Coloring
APごとに違うColorを設定し、無線端末は自身が通信しているAPを区別できるようになり、
同じチャネルで干渉してもBSS Colorが異なる通信は無視して、自身の通信を開始する機能。
Wi-Fiによる電波干渉の影響を最小限にすることが可能となります。
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11ax(Wi-Fi6)製品のスループットがどのくらい向上したか気になってきませんか?
気になりますよね?
気になる方の為に、NOP社内でWirelessの専門メンバーで構成された
ワイヤレスワーキンググループにて、比較検証を実施させて頂きました。
今回はNOPで行った検証結果を公開させて頂きます!!
■11ax(Wi-Fi6) vs 11ac(Wi-Fi5)比較検証
検証は丸の内にある弊社オフィス(JPタワー26F)で実施致しました。
検証に使用したAP(アクセスポイント)は各メーカの売れ筋の 11ac(Wi-Fi5) 製品と
11ax(Wi-Fi6)を準備致しました。
(各APは同等グレードの機種を用意しております。)
■検証利用機器
11ac(Wi-Fi5)製品 |
11ax(Wi-Fi6)製品 |
|
Cisco |
Aironet 2802I
4x4:3(2.4GHz/5GHz)
|
Cat9120AXI
4x4:4(2.4GHz/5GHz)
|
Meraki |
MR56
4x4:4(2.4GHz/5GHz)
|
MR46
4x4:4(2.4GHz/5GHz)
|
Ruckus |
R610
3x3:3(2.4GHz/5GHz)
|
R650
2x2:2(2.4GHz)、4x4:4(5GHz)
|
Mist |
AP41
4x4:4(2.4GHz/5GHz)
|
AP43
4x4:4(2.4GHz/5GHz)
|
ワイヤレスの接続端末(ノートPC)については、HP Pavilion 13-an1000(11ax対応の2ストリーム製品)を4台準備させて頂きました。
今回用意した11ax対応APの5GHzの最大ストリーム数は4ストリームとなり、
接続端末(ノートPC)は2ストリームとなりますので、5GHzについては、MU-MIMO機能にて同時に2台の端末が同時に通信できること想定をしております。
いままでは、60台のiPadを集めて高密度検証をおこない、1台のAP当たりのパフォーマンスと同時接続数の確認を行っておりましたが、今回は11axの機能(OFDMA、MU-MIMO、1024-QAMなど)の有効性を確認したかったため、端末台数を少なくした状態で比較検証を実施しております。
■検証について
検証方法としては、上記図をご確認頂ければと思いますが、オフィスの中心にAPを設置し、
APから約15mの場所に接続端末(ノートPC )を4台設置しています。
APと同一セグメントに有線接続しているノートPCを利用して、iPerfというトラフィック測定が行えるフリーツールを利用して、Down LinkとUp Linkをそれぞれ3回ずつ測定し、
スループットの平均値を検証結果としております。
では、早速ですが、11acと11axでの検証結果を公開いたします。
11ac(Wi-Fi5)製品 vs 11ax(Wi-Fi6)製品の結果をご確認下さい!
■5GHz帯での比較検証
灰色のバーが11ac(Wi-Fi5)製品の結果となり、緑色のバーが11ax(Wi-Fi6)製品の結果となります。
上記の検証結果を見て分かる通り、
11ac製品と比べて11ax製品のスループットが向上しており、各機種の平均Up率を見ても、
Down Linkで約+64%Up、Up Linkで約+50% Up
という結果で、11ac製品と比べて11ax製品はパフォーマンスがかなり向上しております!!
それにより、11ac(Wi-Fi5)製品より1AP当たりの接続端末台数も増やすことが可能となります。
11acでのスループットは約120Mbps程度でしたので、1端末当たり3Mbpsの帯域が必要と想定すると、1AP当たり40台前後の接続数となっていました。
⇒120Mbps ÷ 3Mbps = 40台の端末接続
11axでのスループットは200Mbpsを超えてきていますので、1端末 当たり3Mbpsの帯域が必要と想定しても、約66台の接続が可能となり、1AP当たりの接続端末台数を増やすことができます。
⇒200Mbps ÷ 3Mbps = 約66台の端末接続
1AP当たり30台~40台の端末接続から高密度環境と呼ばれておりますが、
11ax製品になると、高密度環境でも臆することなくパフォーマンスを発揮できると思います
■2.4GHz帯での比較検証
11axの恩恵は5GHzだけではございません!!
11acについては、5GHz帯のみの規格となっておりましたが、
11axについては、5GHzに加え、2.4GHzでも恩恵を受けることができます。
⇒11ac製品については、2.4GHzが11nとなり、5GHzのみ11acという形でしたが、
11ax製品については、2.4GHz/5GHz共に11axの対応となります。
2.4GHzも11ac製品(11n)と11ax製品でどのぐらい結果が変わるか
気になっていませんか?
もちろん検証させて頂きましたので共有させて頂きます!
灰色のバーが11n(Wi-Fi4?)製品の結果となり、黄色のバーが11ax(Wi-Fi6)製品の結果となります。
如何でしょうか?
11nの場合、スループットが100Mbps出ていませんが、
11axの場合では、スループットが100Mbpsを超えてきます!!
2.4GHzは5GHzと比べて帯域が小さいと言われてきましたが、
11axの2.4GHzは11ac製品の5GHzと比べても、遜色ないほどのスループットへ向上しております。
11axについても電波干渉の観点から5GHzを中心理由になると思いますが、
今後は2.4GHzも利用できるのではないでしょうか。
電波干渉の影響を最小限にできるBSS Coloring機能がございますので、
今後は2.4GHzも有効利用できるようになってくると期待しております。
■さいごに
11ac製品 vs 11ax製品の比較検証結果を見ていかがでしたか?
効率化や高速化が進んでおりWi-Fi技術はこれからも進化し続けると思いますが、
どう進化していくか楽しみですね!
11ax製品は11ac製品と比べて感覚的に15~20%ほど価格が上がっておりますが、
無線LANの導入を検討/提案するのであれば、
11ac製品ではなく、11ax製品が良いのではないかと思います。
Cisco/Meraki/Ruckus/Mistの11ax製品の詳しい情報や価格が知りたい方は、
では、この辺で。。。。
まためんそーりよー(またいらして下さい)
【特記事項】
■2.4GHzの結果について
Ruckus R650の2.4GHzは2x2:2となり、端末が2ストリーム製品ですので、
MU-MIMOの恩恵は受けておりません。
■Cat9120AXIの検証結果について
今回Version17.3.1を利用して検証を実施していたのですが、
Cat9120についてはMU-MIMOがサポートされていないことが判明しました。
そのため、Cat9120AXIでの検証結果はMU-MIMOの恩恵は受けておりません。
※Ver17.3.1では、Cat9130のみMU-MIMOはサポートされているようです。
今回検証した製品・ソリューションをまとめております。↓↓