Catalyst 9000シリーズの最上位機種! Cisco Catalyst 9600 ご紹介
今回のブログでは2019年の5月に発表されたシスコ社の Cisco Catalystシリーズスイッチの新製品 Catalyst 9600シリーズスイッチを紹介します。
目次[非表示]
Catalyst 9600シリーズスイッチについて
Catalyst 9600シリーズは、40 Gigabit, 100 Gigabit Ethernetといった高速なインターフェースを提供することが可能な、Catalyst 9000ファミリースイッチの最上位に位置するシャーシ型のスイッチです。
従来から利用されている Cisco Catalyst 6000シリーズの後継モデルとして位置付けられています。
この Catalyst 9600シリーズの登場で、既にリリースされている Catalyst 9200, 9300, 9400, 9500シリーズと合わせて、企業内ネットワークのコアレイヤーからアクセスレイヤーまでの全ての階層を Catalyst 9000シリーズで構成することが可能になりました。
Catalyst 9600は、他のシリーズと同様にCatalyst 9000シリーズ共通の特性を持っています。
Catalyst 9000シリーズの特徴
・共通のハードウェアアーキテクチャ - Cisco Unified Access Data Plane(UADP)
Catalyst 9600にはシスコ社が開発した Cisco UADP ASIC が搭載されており、現在リリースされている Supervisor Engine 1 (C9600-SUP-1) モジュールでは UADP 3.0 が起用されています。
この UADP 3.0 は既にお客様の環境で利用されている Catalyst 9500シリーズの一部モデルでも搭載されており、Catalyst 9600についても既に市場実績があるASICで動作するということで、ある程度の安心感があります。
・共通のソフトウェアアーキテクチャ - IOS-XE
Catalyst 9000シリーズでは稼働するOSソフトウェアが共通化されています。
Catalyst 9300, 9400, 9500, 9600ではOSイメージファイルまで同一で共通の IOS XE Binary Image を使用して動作します。Catalyst 9200は同じOSを軽量化した IOS XE Lite Binary Image で動作します。
全てのシリーズが共通のOSで動作し、設定や操作コマンドが共通化されているため、どのシリーズも同じ要領で構築や運用操作が可能になるというメリットがあります。また、特定のシリーズで得たナレッジも全てのシリーズで共有できるので、OSの品質向上という観点でも有益なソフトウェアアーキテクチャになっているという印象です。
Catalyst 9600シリーズのハードウェア
・シャーシ
Cisco Catalyst 9606R Chassis
2019年9月時点では6つのスロットを持つ Catalyst 9606R シャーシがリリースされています。
電源ユニットのサイズが小さく、シャーシの高さは 8RU と6スロットのシャーシとしてはコンパクトなサイズです。ファン トレーは前面・背面の両側から交換可能になっていて、柔軟なケーブルリングが可能になっている構造が特徴的です。
スロットの内訳はスーパーバイザーエンジン専用スロットが2つ、ラインカード専用スロットが4つで、下記のモジュールが提供されています。
- スーパーバイザーエンジン
- C9600-SUP-1 - Supervisor Engine 1 module
- ラインカード
- C9600-LC-48YL - 48-Port 25GE/10GE/(1GE*) line-card *ロードマップ
- C9600-LC-24C - 24-Port 40GE/12-Port 100GE line-card
・スーパーバイザー モジュール
C9600-SUP-1 - Supervisor Engine 1 module
C9600-SUP-1 は UADP3.0 ASIC と 8 Core のCPUを搭載しており、Slot毎に 2.4Tbps の高いパフォーマンスを提供します。
データシートの Performance and Scalability や Flexible ASIC Templates の情報を見て頂くと分かるのですが、保持可能なMACアドレス数やルート数、Switched Virtual Interfaces (SVIs)数などは、エンタープライズネットワークのコアスイッチ向けの大きさになっています。
もし、大規模なレイヤー2ネットワークに接続する用途や大量のルーティング情報を保持するような用途などで Catalyst 9600 (SUP-1搭載) を検討される場合にはスケールの要件にご注意ください。
・ラインカード
C9600-LC-48YL - 48-Port 25GE/10GE/(1GE*) line-card *ロードマップ
C9600-LC-48Y は48ポートの 25GE/10GE/1GE SFP28, SFP+ という構成のラインカードです。初期のOSバージョンでは 1GE SFP はサポートされていませんが、今後のOSリリースでサポート予定になっています。
C9600-LC-24C - 24-Port 40GE/12-Port 100GE line-card
C9600-LC-24C は24ポートの 40GE または、12ポートの 100GE QSFP28 という構成のラインカードです。ポートグループ毎に 40GE モードまたは、100GE モードを選択して利用することが可能です。
初期のラインカードのリリースはこの2種類のみでSFPのポート構成のライカードのみになっていますが、今後にCopperポート構成のラインカードのリリースが予定されています。
Catalyst 9600シリーズのソフトウェア/機能
Catalyst 9600シリーズは、従来の Catalyst 6000シリーズの機能に加えて、インテントベースネットワークに向けた機能もサポートしており、様々な用途に利用することが可能です。
・レイヤー3 コア
従来からの企業内ネットワークのコアスイッチとしての使い方で、IPv4/IPv6ユニキャストルーティングやマルチキャストルーティングに対応します。
また、高密度の100GE/40GE/25GEポートを提供可能なため、より高速なネットワークを構成することが可能です。
・MPLS PE
Catalyst 6000シリーズと同様にMPLS機能もサポートします。
レイヤー2、レイヤー3のMPLS VPNに対応し、MPLS PEとして使用することが可能です。
・ファブリック コア
Catalyst 9600は、Cisco DNAのSD-Accessソリューションに対応し、SD-AccessのBorderノードやControl planeノードとして利用することが可能です。
SD-Accessでは、インテントベースネットワークにより、管理マネージャーであるCisco DNA Centerでネットワーク全体を管理し、GUI操作を通じてネットワーク構築を自動化することが出来ます。
おわりに
2017年に最初のシリーズがリリースされて以来、順次ラインナップを拡充してきた Catalyst 9000ファミリースイッチですが、遂にコアスイッチに位置づけられる Catalyst 9600シリーズがリリースされました。
Catalyst 9600はリリースされて間もないということもあり、本ブログを執筆している2019年9月の時点では、一部の機能が今後のOSリリースで対応予定になっていたり、ラインカードの拡充が計画されているような状況です。これらのリリースに合わせて機能面が強化され、ハード面ではより柔軟なポート構成が取れるようになってきますので、Catalyst 9600シリーズの動向を引き続き注視していこうと思います。
Catalyst 9600は、多くの導入実績のある Catalyst 6000シリーズの後継にあたり、期待されている方も多いかと思います。
もしご興味がありましたら、弊社担当営業までご連絡ください。
・参考URL
Cisco Catalyst 9600 Series Switches - Data Sheets
https://www.cisco.com/c/en/us/products/switches/catalyst-9600-series-switches/datasheet-listing.html
・関連ブログ
アクセススイッチの決定版!Cisco Catalyst9200 ご紹介
https://solution.netone-pa.co.jp/blog/174