
【速報】WebexOne 2026 in Austin ~Breakout Session編~
こんにちは。Cisco Collaboration担当の滝澤です。
WebexOne 2026速報の第2弾となる今回は、会場で行われている注目セッションの様子を中心にお届けします。
いよいよ本格的なセッションがスタートし、会場ではAIを中心に、コラボレーション、ワークスペース、コンタクトセンターなど幅広いテーマについて活発な議論が行われていました。
特にAI関連のセッションには多くの参加者が集まり、立ち見が出るほどの盛況ぶりでした。展示会場でもAI関連の展示やデモが数多く見られましたが、昨年までの「AIで何ができるのか」から一歩進み、「AIをどのように業務へ組み込み成果につなげるのか」という議論が増えていることを、現地でも強く感じました。
WebexOneでは、AI、コラボレーション、カスタマーエクスペリエンス(CX)、ワークスペースなどをテーマに、多数のセッションが開催されています。

セッション会場は展示会場のすぐ近くに配置されており、参加者は展示とセッションを行き来しながら、それぞれのテーマについて理解を深めることができます。
今回は、その中から特に印象に残ったセッションをご紹介します。
AI時代のワークスペース戦略
Future-Proofed Workplaces: Powering an AI-Ready Infrastructure
本セッションでは、AI時代に求められるワークスペースのあり方について紹介されました。

本セッション単体のテーマに限らず、Keynoteや他のセッションを通じて繰り返し語られていたのが、シスコがここ数年推進している「データに基づくワークスペースの最適化」という考え方でした。
単に最新の会議室デバイスを導入するのではなく、利用データを活用しながらオフィス環境そのものを継続的に改善していくという考え方が改めて強調されていました。
セッションでは、ニューヨークオフィスで実施されたワークスペース改革の事例が紹介されました。会議室や執務スペースの利用状況を分析し、従業員がより利用しやすい環境へ再設計した結果、オフィス利用率の向上につながったとのことです。
また、デバイスやコラボレーションツールを標準化することで、どの会議室でも同じ操作感で利用できるようになり、利用者の利便性向上とIT部門の運用負荷軽減の両立を実現していることも紹介されました。
AI時代のワークスペースを実現するためには、新しい技術を導入するだけではなく、実際の利用状況をデータとして可視化し、その結果を基に継続的な改善を行うことの重要性を改めて感じたセッションでした。
よりスマートな会議室へ
The Fast Track to Smarter Meeting Rooms
前のセッションがワークスペース全体の戦略をテーマとしていたのに対し、本セッションでは、その中心となる会議室体験に焦点が当てられていました。
新しいコンセプトや大きな発表が中心というよりも、シスコがここ数年継続して取り組んできた会議室ソリューションの考え方を改めて整理する内容でした。
特に繰り返し語られていたのは、「機器を中心に会議室を設計するのではなく、利用者のワークフローを中心に設計する」という考え方です。ブレインストーミング、ワークショップ、役員会議など、それぞれの利用シーンに適した会議体験を提供することの重要性が紹介されていました。
また、シスコが近年推進しているAV over IPについても改めて紹介されました。会議室ごとに異なる構成へ柔軟に対応しながらも、利用者には一貫した操作性を提供し、管理者は同じ運用基盤で管理できるというシスコの考え方です。
セッション後半では、実際にCisco Devicesを大規模展開しているユーザー企業も登壇しました。

特に印象的だったのは、会議室体験の向上だけでなく、運用の標準化やサポート負荷の削減という観点でもCisco Collaborationを評価していたことです。標準化による運用負荷の削減や、限られたITリソースで数千規模の会議室環境を運用している事例が紹介されました。
こうしたリアルな事例を直接聞けるのも、WebexOneに現地参加する大きな価値の一つだと感じています。
現場を支えるコミュニケーション基盤
Phones Built for Your Frontline Workforce
ワークスペースや会議室とは別の角度から、現場業務を支えるコミュニケーションについて紹介されていたのが本セッションです。
医療、教育、小売、物流などの現場で働く「フロントラインワーカー」を対象に、コミュニケーションソリューションの最新動向が紹介されました。

印象的だったのは、単なる電話機ではなく、「現場業務を支えるコミュニケーションデバイス」として設計されている点です。
セッションでは代表的なデバイスとしてCisco Wireless Phone 9821が紹介されました。病院や物流倉庫、製造現場などでの利用を想定しており、Push-to-Talk機能や交換式バッテリー、専用アクションボタンなどを備えています。
また、AIノイズ除去や通話要約、リアルタイム翻訳など、これまで会議向けソリューションで活用されていたAI機能がフロントライン領域にも展開され始めていました。
後半では、実際にCisco Devicesを利用している医療機関のユーザーも登壇し、大規模環境での運用事例が紹介されました。大規模な電話機を運用する中で、端末の標準化や集中管理によって運用負荷を軽減していることに加え、医療現場で求められる高い信頼性をどのように確保しているのかについても語られていました。
特にセッション後の質疑応答では活発な意見交換が行われており、導入の背景や運用上の工夫、実際に得られた効果などに対する参加者の関心の高さを感じました。
AI時代に求められる「信頼」
The Deepfake Crisis In Real-time Communication
AI活用やコラボレーションに関するセッションが多く開催される中、AI時代におけるセキュリティや信頼性という観点から非常に興味深かったのが本セッションです。
テーマは「ディープフェイク」。
これまで本人確認の手段として有効だった「声」や「顔」も、生成AIによって高精度に再現できるようになり、リアルタイム通信における信頼性が大きな課題になりつつあります。
セッションでは、AIの進化によって業務効率化や生産性向上が進む一方で、その技術が詐欺やなりすましにも利用されるようになっていることが説明されました。特に、AIを活用した音声ボットやディープフェイク技術の発展により、人間とAIの区別が難しくなりつつある点が強調されていました。
セッションでは、金融サービス企業での導入事例も紹介されました。音声通信の可視化やディープフェイク検知技術を段階的に導入し、コンタクトセンターから技術サポート部門、さらに顧客対応部門へと活用範囲を広げているとのことです。AI活用が進む中で、「信頼」をどのように担保するかが大きなテーマになっていることを実感しました。
従来の本人確認はログイン時の認証が中心でしたが、今後は通信や取引の途中においても継続的に信頼性を確認する必要があると説明されていました。セッションでは、
- 誰なのか(本人確認)
- 何をしようとしているのか(行動の確認)
- その権限があるのか(権限の確認)
という3つの観点が重要であり、これは人間だけでなくAIエージェントにも適用される考え方であると紹介されていました。
AI活用の可能性を語るセッションが多い中で、本セッションはAIを安心して活用するために必要な「信頼」や「ガバナンス」の重要性を改めて考えさせられる内容でした。
まとめ
今回参加したセッションを通じて感じたのは、「AIを導入すること」よりも「AIをどのように業務へ組み込み、価値につなげるか」に議論の中心が移りつつあることです。
各セッションのテーマはさまざまでしたが、どのセッションでも共通していたのは、AIを実際の業務の中でどのように活用し、成果へ結び付けるかという視点でした。
また、Agentic AIやAI Agentに関する議論も多く見られました。単なる情報提供や要約だけでなく、AIが業務プロセスの中で役割を持ちながら人と協調して働く世界観が、多くのセッションや展示で紹介されていたのが印象的でした。
一方で、AI活用の拡大とともに、ガバナンスやセキュリティ、信頼性といったテーマの関心も高まっていました。特にディープフェイクやAI Agentに関するセッションからは、「AIを安全に活用するための仕組み」が今後ますます重要になることを実感しました。
会場を歩いていても、AIはもはや一部の先進的な取り組みではなく、コラボレーション、コンタクトセンター、ワークスペース、デバイスといったあらゆる領域に浸透し始めていることが伝わってきます。
では、こうしたトレンドを踏まえ、Ciscoはどのような未来を描いているのでしょうか。
次回は、本シリーズの締めくくりとなる 「Keynote編」 をお届けします。WebexOne 2026の中心となる基調講演では何が語られたのか。Ciscoが打ち出した最新戦略や注目発表について、現地で感じた熱量とともにご紹介します。
ぜひご期待ください!
おまけ
会場内には、参加者向けの「THE Swag Station」 が用意されていました。
ここではキャップやポーチ、PCケースなどに好きなワッペンを組み合わせて、自分だけのオリジナルグッズを作ることができます。
用意されていたワッペンも非常に豊富で、シスコやWebexのロゴだけでなく、開催地であるAustinや「WebexOne 2026」をモチーフにした今年ならではのデザインも多数用意されていました。
会場では多くの参加者がお気に入りのワッペンを選びながら、自分だけのオリジナルアイテム作りを楽しんでおり、特に賑わっていたエリアの一つでした。
もちろん私たちも参加し、それぞれ気に入ったワッペンを選んでオリジナルポーチを作成してきました。イベントの記念になるだけでなく、参加者同士の会話のきっかけにもなっており、WebexOneならではの楽しい企画だと感じました。






