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「AI」が無線LAN運用を劇的に進化させる:Mist Systems ~後編~

前編はこちら


 こんにちは。ビジネス開発部の醍醐(だいご)です。前回の記事から一週間、東京では台風が来て涼しくなったのもつかの間、またまた酷暑の日々に逆戻りです。体調にはお気をつけくださいね。

 さて、今日は「AI」が無線LAN運用を劇的に進化させると題した「Mist Systems」後編をお送りいたします。前編では「クラウド型Wi-Fiのメリット」「Mistの特徴」「MistのAIがやってくれること」に分けてお伝えしました。後編では、具体的な機能に焦点を当てて、Mistを導入するとどう嬉しいのかをご説明できればと思います。


目次[非表示]

  1. 1.ダイナミック・パケットキャプチャ
  2. 2.サービスレベルモニタリング
  3. 3.Root Cause Analysis(根本原因解析)
  4. 4.「Mist」とその他のWi-Fiの違い
  5. 5.最後に


ダイナミック・パケットキャプチャ

 Mistは、クラウドにあるAI「Marvis」が常に無線ネットワーク上の管理パケットをモニタリングしており、トラフィック増減などの各種イベントをリアルタイムにチェックすることが可能になっています。このイベントはMistのAIにより、自動で「OK」「Neutral」「NG」に振り分けられ、「NG」のイベントについては自動でパケットキャプチャされます。

 例えば、トラフィックの急な増減の際など何らかのトラブルが考えられるときには、あらかじめ取得されているパケットキャプチャのデータをダッシュボードからダウンロードすることで、ログ取得のための障害再現の手間なく解析を始めることが可能です。

ダイナミック・パケットキャプチャbyMist


サービスレベルモニタリング

 Mistは、モニタリングした管理パケットを、ユーザーのWi-Fiの使い心地のチェックに利用しています。具体的には以下7つの項目について、クライアント単位、サイト単位などで目標値の管理が可能となります。これまでは「AP稼働」など、一部の指標だけでWi-Fiの可用性をチェックしていましたが、このサービスレベルモニタリング機能により、運用負荷をかけずにミッションクリティカルな環境におけるWi-Fi活用を推進できます。

  • Time to Connect(アソシエート開始から認証完了までの時間)
  • Throughput(端末1台あたりのスループット)
  • Roaming(2AP間でローミングにかかる時間)
  • Successful Connect(接続試行数の成功率)
  • Coverage(電波エリアのカバー率)
  • Capacity(APの収容能力)
  • AP Uptime(APの起動時間)


Root Cause Analysis(根本原因解析)

 「サービスレベルモニタリング」と密接に関連するのが、この「Root Cause Analysis」機能です。製造業や医療においてはRCAという一般名詞にもなっています。どのような事象や理由が「サービスレベルモニタリング」の各指標にどう影響しているのか、言い換えると、この無線LAN環境の悪いところはどこなのか?をMistのAIが解析してくれる機能です。

サービスレベルモニタリングとRCA byMist


「Mist」とその他のWi-Fiの違い

 Mistを導入することで、運用負荷を上げることなく、高品質な無線を利用することが可能になります。その他Wi-Fiとの運用イメージの違いを図にまとめてみたので、ぜひご覧ください。

MistのRCA機能、ダイナミックパケットキャプチャ機能によるダウンタイム最小化

Mistによるサービスレベルモニタリング機能


最後に

 さて、Mist Wi-Fiの代表的な機能を3つご覧いただきました。他にも様々な機能がMistには搭載されておりますので、折を見てご紹介できればと思います。最後までお読みいいただきありがとうございました。


番外編:「AIの確からしさ」は?

 一般的なAIの詳細についての解説はこのエントリの目的ではありませんが、「AI」という言葉を利用して機能の説明を行うと、「それってどのくらい正しいんですか?」と質問をいただくことが良くあります。

 正確性を測ることは非常に難しいですが、「サービスレベルモニタリング」「Root Cause Analysis」で表示される情報に関しては、非常に精度が高いものになっています。これはAI的というよりも機械学習的なアプローチを取っていることが理由で、"AIというラベル"で説明したのは、マーケティングの観点からです。

 「サービスレベルモニタリング」「Root Cause Analysis」においては、取り扱うと決められたデータをプログラムされた計算方法に沿い、そこで定義されているメッセージと実環境のデータやイベントを相関分析して処理するものですので、一般的なAIに見られる発散したデータの取扱(≒正答率を下げる)がほとんど無いことが特徴です。


醐醍 朝和(だいご ともかず)

醐醍 朝和(だいご ともかず)

ビジネス開発部所属。小売業向けIoTビジネス開発を中心に、製品担当を兼務。リテールマーケティングやITILなどを所持。 主な担当製品は「Mist」「Ruckus」「HYPERVSN」。 趣味は山登りで、プロフィール写真は木曽駒ケ岳山頂からの眺めです。
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