これからのネットワークエンジニアに必要な武器とは?NOP DevNet取り組みのご紹介
目次[非表示]
- 1.はじめに
- 2.2年をかけて浸透
- 3.2019年の取り組み
- 4.2020年の取り組み
- 4.1.内製でのPython・API講習開催
- 4.2.Cisco製品"以外"の APIを利用したツールのお試し開発
- 4.3.ハンズオンコース
- 5.Cisco DevNet
- 6.おわりに
はじめに
みなさんこんにちは。セールスエンジニアリング部の小堀と申します。
アカウントパートナー様への新商材ご紹介やQA、よろずご相談を技術面でサポートするアカウントSEを担当しています。
日々パートナーのお客様と会話させていただく中でどのパートナー様も新たなビジネスやソリューションの開発に積極的に取り組んでおり、我々に求められるものも「ネットワーク製品に詳しい」だけではなく、
「どのように使いこなすか」
「どうすれば省力化できるか」
「どうしたらマネタイズできるか」
などより実効性の高いソリューションやアイディアを求められるようになってきていると感じます。
また我々が取り扱うネットワーク製品に関しても、単独ではなく他の製品/ソリューションと組み合わせることでより価値を発揮する製品が増えています。
これらの潮流は "APIを活用する" ことが前提になっていますので、我々ネットワークエンジニアとしても今までの製品知識に加えて、APIの利用の仕方やPythonなどの開発言語の習得が課題となっています。
今回はこのような課題に対して弊社セールスエンジニアリング部が行っているSE力向上の取り組みをご紹介したいと思います。
2年をかけて浸透
我々は2年にわたる計画を立てて部内全員のSE力向上を目指しています。ただ研修を受けるだけでなく継続的に学習環境を作ること、その成果を身近なところで形にすることを意識して様々な講習やイベントを企画しています。順にご紹介しましょう。
2019年の取り組み
Cisco製品限定!APIを利用したツールのお試し開発
我々の取り扱い製品の多くを占めるのがCisco製品です。Cisco製品担当チームの選抜メンバーを中心に、まずは "Cisco製品に限定して" APIを使って実際に動くツールを作ってみました。ここでは一部の例をご紹介します。
各担当SEが日ごろ感じている製品の改善点を実際に形にし、発表会&デモを行いました。各メンバーとも時間が限られている中で作ったわりにはなかなかの力作ぞろい!
私もIOSのコンフィグ比較のツールを作ってみました。
Python未経験 & Linuxもろくに触ったことが無い状態からのスタートでしたので何とか思い通りの結果が表示されるようになったときはとてもうれしかったです。(とは言ってもほぼサンプルコードの丸写しですが..)
2020年の取り組み
内製でのPython・API講習開催
Python・API知識習得の底上げを目標に、『Python初心者未満講座』『REST-API初心者講座』を開催しています。毎週月曜/木曜の朝30分x10回という小刻みな講習で、「if文を使った条件分岐」にたどり着くまでに10回の講習というじっくり時間をかけたものになっています。
2019年は外部講習への参加でしたが、2020年はPythonに詳しい社員が講師役となって内製で実施しています。
余談ですが、この講習は ちょうどコロナによる全社テレワーク時期に行ったため、すべてCisco Webex Meetingsを使ったリモート講習となりました。
1回30分という短めの講習なので受講する側も集中して受講することができますし、予算的にも制限がないので希望者全員が受けることができます。それに外部での集合研修を受ける場合、通常業務へのしわ寄せが大きく参加するまでのハードルがなかなか高かったのですが、"リモートで30分"ですので通常業務にそれほど負担をかけずに参加できました。「小刻みにたくさん」はリモートワークに適した講習の方式として今後定着していくのではないかと思います。
Cisco製品"以外"の APIを利用したツールのお試し開発
2019に作ったツールはCisco製品に限定したものでしたが、2020年は Cisco以外の製品にチャレンジします!PaloAlto CloudソリューションやJuniper Mist無線LANソリューションでの実用的なアイディアを形にすべくまさに今取り組み中です。
ハンズオンコース
2019年に作成したツールは選抜メンバーが作ったものでしたが、これらをお手本にして部員全員がツールを作ってみる、ということを企画中です。部員全員が実際にコードを書いてプログラムが実際に動くことを体感することでAPIを今後の業務に活用できると考えています。また前年度の選抜メンバーが他の人に作り方を教えることを通じてもSE力の向上を狙っています。
Cisco DevNet
このような取り組みを行ううえで強力な手助けになるのが Cisco DevNetです。
Ciscoはネットワーク業界のリーダー企業で弊社とも長年の取引がありますが、近年はネットワーク製品のみならずコラボレーション製品やSDN製品などにおいてプログラマビリティが重視されるようになってきています。
これらの製品を実際に導入・保守するエンジニアをサポートするプログラムがCisco DevNetです。
Cisco DevNetは無料のプログラムで、学習プラットフォームを使用出来たり、Sandbox、Learning Lab、APIサンプルコードなどが数多く掲載されています。基本は英語コンテンツですが日本語コンテンツもあります。
私自身が作成した前述の「IOSのコンフィグ比較のツール」も DevNetで見つけた pyATS・Genie・Robot Framework といったpythonライブラリを活用しています。
Web上のコンテンツだけではなく、DevNetExpress、Hackathonなどのイベントを主催していて弊社も Japan DevNet Innovation Challenge 2020 への参加 も視野に入れています。
Webコンテンツのボリュームだけでも相当な質量があり、無料で提供されているプログラムとしては破格です。ネットワーク業界のプログラマビリティ向上におおきく寄与しているといえるでしょう。
おわりに
弊社はこれらCisco DevNetのサポートも得ながら、パートナー様・エンドユーザ様への具体的なソリューションをご提示できるように引き続き推進していきたいと考えています。