Cisco 360への準備①

目次[非表示]
Cisco 360とは
シスコシステムズ合同会社(以下シスコ)が、2026年2月から開始する新パートナープログラムがCisco 360です。
これまではパートナーを売上規模に応じてGold、Premier、Selectといったランクに分類していましたが、これからはライフサイクルを意識したビジネスを推進するパートナーを評価し、その結果に応じた称号や特典(ベネフィット)を付与する制度に変わります。
このパートナープログラムの刷新は、シスコが従来のハードウェア中心のビジネスから脱却し、ソフトウェアおよびサービスを中心としたサブスクリプションモデルへ舵を切ったことを示しています。
サブスクリプションモデルでは、定期契約を通じて、最新の機能提供やアップグレードが可能となり、さらにアップセルやクロスセルの機会も増えます。これにより、シスコは安定的かつ持続可能なビジネスを目指しています。
顧客にとっても常に最新かつ最適なソリューションを享受できるメリットがあり、まさに今後のビジネスにおける理想形といえます。
では、新しいパートナープログラムがどのようなものなのか、今回のブログで紹介します。
PVI(パートナーバリューインデックス)による評価
シスコでは6つのポートフォーリオごとに、PVI(Partner Value Index)スコアをつけ、パートナーの価値を10段階で評価します。PVIは複数の評価基準(インデックス)により算出されます。
6つのポートフォーリオ

PVI
シスコでは、パートナー企業の価値を以下の4つのカテゴリで評価しています。
🧱 Foundational(基盤)
CX(Customer Experience)への取り組みや、マネージドサービスの提供体制が評価対象です。
継続的な価値提供ができているかが評価されます。
🛠️ Capability(技術力)
Cisco Black Belt認定(パートナー向けE-Learning)や各種認定資格の取得数が評価されます。
最新技術への対応力と専門性が問われます。
📊 Performance(業績)
Cisco製品・サービスの売上成長率が評価されます。
売上高ではなく、成長率が評価されるため、継続的な市場拡大や新規顧客の獲得に向けた取り組みが重要となります。
🤝 Engagement(顧客活用)
顧客がCisco製品をどれだけ活用しているか、導入後の展開状況が評価されます。
顧客の活用状況を定期的に分析し、さらなる活用促進に向けた提案を行っているかが重要です。
このように新しいパートナープログラムでは、ライフサイクルサービスの提供、技術力、業績、顧客支援(CX)など、多岐にわたる活動が評価されます。「売り切り」ではなく、「リカーリング(継続)」型のビジネス活動に重点が置かれています。
ビジネス活動が複数の視点でKPI評価されるため「具体的にどのように評価するのか」を簡潔に説明するのは難しいので、今回のブログでは概要のみをご紹介しています。
PVIとパートナー称号
ポートフォーリオ毎にPVIスコアが計算され、その結果称号が決定します。

PVIが7.5以上であれば、Cisco Preferred XXX Partnerという称号になります。XXXにはポートフォーリオ名が入るため、最大6つの称号を獲得することが可能です。Preferredという言葉は「推奨する」「優先される」という意味があります。
PVIが5~7.4であれば、Cisco XXX Partnerという称号になります。この称号を獲得することで、得意な技術を顧客にアピールできます。
PVI5未満の場合は、Cisco Partnerという称号になります。
PVIとベネフィット(特典)
また、PVI値により得られるベネフィットも異なります。以下は主な獲得ベネフィットです。
PVI0:パートナー割引
PVI1:NFR(検証ライセンス)
PVI5:インセンティブ
PVI7.5:より高度なインセンティブ
1から5へのステップにはかなり差があるので、次に進むには少し時間がかかるように感じるかもしれませんが、現状ではベネフィットは4段階で設定されています。
PVIスコア目標値と支援サービス
多くのパートナー企業様では、現状を維持したいということで、以下の目標値を設定されています。
- 現Gold:PVI 7.5
- 現Premier:PVI 5
- 現Select:PVI 1
この目標は、スコアが高いほど一朝一夕で達成できるものではなく、計画的かつ継続的な取り組みが求められます。
今までにない多角的な評価制度であるため、具体的な進め方に不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
そこで、NOPでは日本初となる「Cisco 360コンサルティングサービス」を提供し、パートナー企業様の目標達成に向けた支援を行っています。
このサービスでは、評価基準の理解からアクションプランの策定、進捗管理までをトータルでサポートいたします。詳しい内容やお申し込み方法は、こちらのページをご参照ください。
次回は「安定的にPVIスコア獲得するには?」というテーマで記事を書く予定です。





