Partner向け初開催!Cicsoベンチャー説明会参加報告!
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はじめに
はじめまして!
ネットワンパートナーズIoTチームで
新規プロダクト発掘をしています松本です。
IoTチームに所属しつつ、IoTに限らずNOP全般で
お客様のビジネスの成功につながる、イケてるプロダクトを発掘すべく日々奮闘中です。
初回は7/12(水)にPartner限定で開催されました
「Ciscoベンチャービジネス説明会」に参加報告をしたいと思います。
なぜCisco社がベンチャーと協業するの?
知っている方には釈迦に説法ですが、実はCisco社はネットワークの製品のすばらしさもさることながら、
その独自の経営手法は多くの経営戦略の教科書で取り上げられるほど素晴らしい経営戦略を駆使しています。
その中でも特に有名なのが、M&A戦略です。
一部ではこのM&A戦略の巧みさが、Cisco社の成長の原動力ともいわれているほどです。
Cisco社は自社内に大規模な中央研究所などを設けるのではなく、
社外に対して研究開発する機能を有しているといわれています。
(決して持ってないわけではないです。あくまで日本企業との対比です。)
社外とは何かというと、Start-up企業です。
Cisco社の本社のあるカリフォルニア州サンノゼ近郊は俗にシリコンバレーと呼ばれ、
有名大学、投資家、VentureCapitalなどStart-upが成長する環境が整っているといわれます。
こうしたStart-upに対してCisco社が自社で保有しない技術を、
M&Aを通じて買収し、自社のプロダクトポートフォリオの強化をしています。
これは日本企業が大規模な中央研究所を持ちそこで開発した技術をもとに製品開発を行う、
いわゆるR&D(Resarch and Development)と比較し、A&R(Acquition & Development)とも言われます。
Cisco社はこうして多くのStart-upとの協業を通じて業容拡大を
図ってきただけに、今回のイベントもその片鱗が見れる気がして、
ワクワクして参加してきました!
(なお、今回のイベントは、Cisco社のM&Aとは一切関係がありません。)
当日のピッチイベントはとてもHotだった!
今回のCisco社イベントの目的は、我々パートナー企業とベンチャー企業の
情報交換・エンゲージメントを目的として開催されました。
当日は、Cisco社の会議室が満席となるほどの盛況ぶり!
当日、6社のベンチャーがピッチを実施し、
各社ともとてもHotなピッチを展開していました。
ピッチ概要のご紹介
①株式会社ABEJA(https://www.abeja.asia/)
ABEJAは2012年設立のビックデータを活用した産業構造改革を狙うことを事業内容とするStart-upです。
設立してまだ5年ですが、とても勢いのある会社だと感じました。
出資者には日本の大企業がずらり。
世界のPOSレジシェアNO1の東芝テックさんや、
Familymartを展開する伊藤忠商事さんなど多くの流通小売関連の大企業からの出資が入っています。
それに加え、2017年4月にはアジア初(?)でNVIDIA社から出資があったとのことです。
NVIDIAといえば、最近トヨタとの間で自動運転車向け AI 車載コンピューターの
協業を目指すことでニュースが出たばかりの今最も勢いのあるチップベンダーです。
それだけABEJAの技術が注目されているということですね。
当日は、主に「Abeja Platform」というPaaSサービスの説明がメインでした。
個人的にはABEJAというと、Retailなど小売り向けのSaaSのイメージがあったのですが、
Retailでの実績を武器に今後は「Abeja Platform」というPaaSサービスも力を入れていくようです。
https://robotstart.info/2016/11/22/abeja-eco.html
②クラウディアン株式会社(http://cloudian.jp/)
クラウディアンはスケールアウト型オブジェクトストレージのStart-upです。
元々は渋谷が本社の日本発のテクノロジーStart-upとのことです。
現在はCalifornia(San Mateo)が本社のようで東京にもオフィスがあります。
Intel CapitalやLenovoなど世界的大手ITベンダーからの出資が入っており、
既に調達額は76億円に達していてかなり勢いのあるStart-upとなります。
クラウディアンが得意とするところはスケールアウト型オブジェクトストレージです。
既に国内では公開されている事例でニフティさんやNTTコムさん、NTT東日本さんと、
大手のDC事業者、通信事業者を中心に導入が進んでいるようです。
当日の話では、AIやIoTなどの大量のデータとオブジェクトストレージの相性が良いということで、
昨年9月に電通と共同で実証実験した事例がとても面白かったです。
2016年10月10日付の日経産業新聞の一面に取り上げられている
「スマート広告街へ」という題名でフューチャーされていますが、
実は基盤はクラウディアン社のオブジェクトストレージが利用されていたとのことです。
(詳細は新聞記事をご確認ください。)
こちらはCiscoUCSとの互換性も確認されたと7月4日に発表されています。
http://cloudian.jp/press/20170704cisco/
③株式会社 グリッド(http://www.gridpredict.jp/)
グリッドは2009年設立のビックデータ解析とAIの研究開発に強みを持つ企業です。
現在はReNomという自社開発のマシンラーニングのフレームワークを用いて解析を行っています。
2009年創業当時は太陽光パネルのメーカーとして設立されました。
その後自社で保有している発電所の発電量予測にDeep Learningを使用したところから、
人口知能プログラム開発を進め機械学習フレームワークの「ReNom」を事業化したそうです。
2015年からはAI事業部を立ち上げているそうです。
GRIDのソリューション「ReNom」は、AIによるDeep Learning・分析のための
プラットフォームとして活躍しており、
現在複数の企業との間で実証実験を進めているとのことです。
④hachidori株式会社(http://hachidoriinc.com/)
hachidoriは2015年に設立のChatbotツール「hachidori」を提供する企業です。
LINEやMessenger、Wechatなどのチャットアプリは利用者数でみると、
2014年にはFacebookやInstagram、TwitterなどのSNSアプリを抜いていて、
利用が急増しているという背景があります。
そうした背景からLINEなどのチャットアプリを用いて、
企業のマーケティング活動などが頻繁に行われておりますが、
どちらかというと一方的な広告配信にとどまっており、
ユーザーにとって本当に欲しい情報が届いていない可能性があるという課題がありました。
そこでChatbotの登場です。
Chatbotでは事前に定義したUserからのコメントに対して、
どのように返信するかをBotで定義しておきます。
一次対応はBotが対応し、さらに突っ込んでUserがコミュニケーションを
取りたい場合は、オペレーターにつなぐなどすることで、企業側の工数削減とともに、
レスポンスよくUserが欲しい情報を提供できます。
こうした一次対応をシステム化するというニーズはたとえば、
上記のマーケティング以外にも、FAQなどでも使えそうです。
Hachidoriは日本初でコードを書かずにチャットボットを作成できるツールとして登場しています。
CiscoSparkとも一部機能で連携できることが確認されているようです。
⑤Izumo BASE株式会社(https://www.izumobase.com/ja)
Izumo BASEは2012年に設立のファイルシステムベースのスケールアウト型SDSである、
IzumoFSを開発しているストレージStart-upです。
IzumoFSは、スケールアウト型でありながら、ファイルシステムプロトコルである、
NASやSMBをサポートしているところに特徴があります。
また、個人的にとがっていると感じたのは「秘密分散」という次世代セキュリティ
技術を実装したSDSであるということです。
秘密分散とは、ファイルを複数に分割し、そのファイル数が一定数集まらないと
復元できないという技術です。
内閣サイバーセキュリティセンターの見解では、行政事務従事者は、
要機密情報である電磁的記録を移送する場合に、
必要な強度の暗号化に加えて、秘密分散技術を使うことが推奨されています。
こうした点からIzumoFSの導入事例としてもセキュリティニーズの高い
お客様の導入事例も多いそうです。
IzumoFSは2017年のCiscoLiveに出展しCiscoUCSとの連携機能を強化しています。
⑥株式会社スカイディスク(https://skydisc.jp/)
スカイディスクは2013年設立のIoTデバイスの開発からAIでの分析まで
ワンストップで提供するStart-upとなります。
Skydiscが特徴的だと感じたのは、センサーのデバイス開発からクラウド上で
AI解析するところまでを業種ごとにカスタマイズしパッケージとして提供していることです。
SkydiscのセンサーデバイスであるSkyloggerGrandeでは温湿度、加速度、照度、CO2、赤外線、音など
の中から3種類のセンサーをプローブ型外付けセンサーに搭載することができます。
また、分野別にIoTサービスをパッケージ化しており、
工場の設備保全であれば振動・音・温湿度のセンサーを、
オフィス環境の最適化であれば温湿度・照度・CO2のセンサーを、
物流のトレーサビリティ確認であればGPS・衝撃・温湿度を、
提供するなど分野別の課題に対しても顧客がすぐにサービスを始められるように
パッケージ化しています。
当日のピッチにはあまり出てきませんでしたが、
IoT向けの通信技術LPWNネットワークの「LoRa」についても
モジュールをSkyLoggerに組み込み、SkyGateと呼ばれる通信デバイス(ゲートウェイ)とセットで
提供することで、商品化をしています。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
当日はPartner限定ということで写真撮影ができませんでしたが、
文字だけでも熱気は伝わりましたでしょうか。
多くのStart-upで様々なイノベーションが起ころうとしていて、
とても興味深いイベントでした!
今後も定期的にこうした新規のテーマの情報をアップしていきたいと思います!